家族経営協定とは

家族経営協定とは

国は、第5次基本計画で女性の経営への参画を推進するとともに、女性が働きやすい環境の整備や育児・介護等の負担の軽減、固定的な性別役割分担の変革等に向けた取組を推進するための有効な手段として位置づけています。
北海道は、北海道男女平等基本計画において協定締結・普及啓発を進めているものです。

もっと具体的には

法人経営においては、会社における決め事は「定款」として公的に示されて、会社を運営する側は定款に基づいて会社運営を行っています。
個人経営(家族経営)においては、家族内で話されている場合や経営主の一任で決定している場合など、約束事は決まっているけど明確になっていない場合が多くあります。
家族経営協定は、経営や家族の決め事を関係機関立会のもと、書面で明記したものに第3者の署名をもらい、公的に近い家族内のルールとするものです。

取り決め内容は

家族経営協定において、決まった形や必須条件はありません。家族で話し合い、決め事としてルール化しておきたい内容を明記しておけば良いのです。
実際に、家族経営協定を締結している農家の取り決め内容は次の様になっています。

○農業経営方針の決定について
○労働時間・休日について
○労働報酬(日給・月給)について
○収益の配分(日給・月給以外の利益配分)について
○農業面の役割分担(作業分担・帳簿記帳等)について
○農業面の部門分担(加工・販売等の関連事業も含む)について
○生活面の役割分担(家事・育児・介護)について
○経営移譲(継承も含む)について
○資産の相続について
○移譲者(老後)の扶養(住居・生活・介護等)について
○労働衛生・健康管理について
○社会・地域活動への参加について
○その他

これらの内容について、複数の項目が選択されています。

管内の家族経営協定締結戸数

管内における家族経営締結戸数は、令和3年3月末時点で123戸となっています。中西部管内では、釧路市13戸、鶴居村11戸、白糠町5戸となっています(図参照)。

図_釧路管内家族経営協定締結戸数(2021年3月現在)

図_釧路管内家族経営協定締結戸数(2021年3月現在)

家族経営協定を考える時期

家族経営協定は、家族の話し合いで、家族みんなが納得したうえで経営している時は必要性を感じませんが、2世代での経営となるとき、後継者が結婚するとき、経営移譲を行う前など、明確なルールを家族内での共通認識として持っておくと、働きやすい、暮らしやすい関係を築くことができます。必要な内容・項目について家族で話し合い、実効性のある家族経営協定を結びましょう。

最後に

個人経営の発展においては、家族間の理解と連携は大変重要なポイントになります。まずは十分に家族内で話し合い、必要なときにはルール化により経営の安定と家族の連携を図っていきましょう。
家族経営協定は、各市町村の農業委員会が中心となって薦めているものです。

(令和3年9月中西部支所作成)

この情報は令和3年11月に釧路中西部支所が地域の農業者に発出するものです。

カテゴリー

釧路農業改良普及センターのカテゴリ

cc-by

page top