2021年の1番草は天候にも恵まれ、収穫作業も順調に進んだため、2020年と比べると刈り遅れることなく収穫できた方も多いのではないでしょうか。2021年産の1番草サイレージの栄養成分の傾向についてまとめましたので、参考にしてください
1番草サイレージの栄養成分の傾向
(1)TDN(可消化養分総量)
降雨が続き、収穫の遅れた2020年と比べるとTDNは高く、平均値を見ても過去5カ年と比べると高くなりました(図1)。
(2)CP(粗蛋白質)
CPは牧草の収穫時期が遅れると低くなる傾向にありますが、2021年産の平均値は5カ年と変わらず、サンプルごとのバラツキも小さくなっています(図2)。
(3)NDF(中性デタージェント繊維)
飼料中の繊維量を表すNDFは2020年産と比べると平均値、最大値ともに低くなりました(図3)。牛の採食可能量は乾物中の繊維量によって変わるため、サイレージを前年よりも多く食べることができます。例として、水分60%のサイレージの場合、飼料中のNDF含量が乾物中70%の時の採食可能量は18㎏ですが、60%の時は20㎏とNDF含量が10%変化することで採食可能量が2㎏前後増加します(表1)。
給与後には残飼を確認し、十分な飼料が与えられているか確認しましょう。
1日の採食可能量 | |
NDF60% | 18㎏ |
NDF70% | 20㎏ |
NRC飼養標準1989年版による推定(牧草水分60%、乳牛体重680㎏、乳量30㎏/日で計算)
【データ】図1~図3は各年とも釧路東部管内の飼料分析機関のデータを集計
滑りやすい時期です。心に余裕を持って作業しましょう
この情報は、2022年1月に厚岸郡(浜中町・厚岸町)の農業者向けに発出したものです。