ホルスタインは暑さに弱く、気温が20℃を超えると採食量の低下から体細胞数の増加や乳量の低下が起こり始めます。暑熱対策のポイントは「換気・送風・飲水」です。早めの対策で生産性の低下を最小限にしましょう。
暑熱ストレスを確認する
暑熱ストレスは温度と湿度から算出されるTHI(温湿度指数)で判断できます。「ヒートストレスメーター(写真1)」はTHIも確認できる便利な道具です。
THIが65を超えると軽度のストレス、72以上で強いストレス、82以上で非常に強いストレスと判断します(表1)。
写真1ヒートストレスメーター
表1THIと暑熱ストレス
牛舎の換気量を増やす
窓を取り外して牛舎の開口部を大きくしたり(写真2)、換気扇を増設したりして(写真3)、牛舎の換気量を増やしましょう。
日差しが差し込む窓にはすだれや寒冷紗等をかけると牛舎内の気温上昇を抑えることができ、より効果的です。
写真2窓を取り外して換気を改善
写真3換気扇の増設で換気を確保
牛へ直接風を当てる
送風機で牛へ直接風を当てることで体感温度を下げることができます。牛の首元に風が当たるようにするのが効果的です(図1)。
図1牛の首元へ風を当てる
飲水量を確保する
牛は1日100~150ℓの水を飲みます。暑いときの飲水量はさらに増えます。水槽の数を増やしたり、掃除をこまめに行ったりすることで、いつでも新鮮な水がたくさん飲めるようにしましょう。
吐水量を増やすため、配管の口径を太いものに交換する取り組み事例もあります(写真4)。
写真4ウォーターカップの配管を太くする
採食量を確保する
給餌回数を増やしたり、掃き寄せの回数を増やしたりしましょう。暑い日中はあまり食べません。夜の給餌量を多めにすることでより食い込めます。
この情報は令和4年(2022年)6月に地域(標茶町、弟子屈町、釧路町)の農業者に発信したものです。