昨年は、7月中旬頃から最高気温が25℃を超える日が続き、平年と比べると暑い年でした。気象庁の3ヶ月予報によると、6月以降の平均気温が高い確率は50%となっており、今年も暑くなりそうです。本格的な暑さがくる前に人よりも暑さに弱い牛の暑熱対策について考えてみませんか。
牛が暑さを感じるのは
(1)乳牛の適温
乳牛は採食した飼料をルーメン発酵させて利用しています。そのため、発酵による熱産生があるので寒さには強く、暑さには弱いです(表1)。
表 1_乳牛における適温域
(2)牛が暑さを感じているサイン
次のような行動がみられた場合には、暑熱ストレスを受けていることが考えられます。行動に合わせて対策しましょう。
〇乳量が減る
〇体温が上がる(39.2℃以上)
〇採食量が減る
〇飲水量が増える
〇呼吸数が増える
(3)湿度が高いと暑熱ストレスも高まる
乳牛は人間よりも汗腺が小さいため、皮膚からの熱放散量も少なく、呼吸数を増やすことで体内の熱を空気中に放散します。湿度が上がると熱を放散しにくくなるので、気温がそこまで高くない時期でも牛はストレスを受けます(図1)。釧路は他地域よりも湿度が高いため、人の過ごしやすい20~25℃のときでも牛は暑熱ストレスを受けているかもしれません(図2)。
図 1_気温・湿度と暑熱ストレスの度合い
図 2_昨年の気象台・測候所別の湿度
暑熱対策のポイント
今年はどこまで暑くなるかわかりませんが、夏にかけて気温が上がっていくことは毎年のことです。早めの対策を心がけて、牛の暑熱ストレスを最小限にとどめましょう(表2)。
表2_暑熱対策
こまめな水分補給で、熱中症を防ぎましょう!
この情報は、2022年7月に厚岸郡(浜中町・厚岸町)の農業者向けに発出したものです。