シカ食害調査柵と自動撮影カメラでシカ食害の実態を把握する!

取組経緯

昨年の冬に、若松・糸魚沢地区の農業者から「草地更新後2年目にも関わらず収量がすごく少ない」、「昨年に比べて大きく減収した」と相談がありました。農業者への聞き取り調査や当該ほ場を確認した結果、ほ場に大量のシカの糞が落ちていたことや山に囲まれた地形であること等から、エゾシカによる食害が収量減少の要因の1つとして挙げられたため、今春にシカ食害調査を開始しました。

調査方法

食害の調査方法は、ほ場に2m四方の柵を設置し、シカの侵入を防止した「食害無区」とシカが侵入できる「食害有区」の収量を比較することで食害率を求めました。またNTT東日本と連携し、自動撮影カメラである「ハイクカム」を設置することでシカの出現頻度も合わせて調査しました(写真1)。

シカ食害調査柵とハイクカム

シカ食害調査柵とハイクカム(写真1)

調査結果

1番草の収量調査結果から食害無区は1,313㎏/10a、食害有区は735㎏/10aであり食害率は44%でした。結果を農業者へ報告したところ「こんなにシカに食べられてるのか!」という反応があり、被害の大きさに驚きの声が上がりました。またハイクカムの設置によって1番草収穫直後にシカの出現頻度が高いことがわかり、短草で栄養価が高く、柔らかい牧草を好んで食べているということが推測されました(写真2)。

夜間に撮影されたシカの群れ

夜間に撮影されたシカの群れ(写真2)

今後の取組

今後は、2番草の食害調査の実施、食害による被害額の算出、侵入防止柵の費用対効果の算出に取り組みます。

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