根釧の草地雑草は、シバムギやリードカナリーグラス、ケンタッキーブルーグラスなどの地下茎型イネ科雑草が大半を占めています(図1)。特に、シバムギやリードカナリーグラスは、競争力が強く牧草を抑圧するため、草地の衰退を早めます。
地下茎型イネ科雑草は、草地更新時の反転耕起では防除できないため、除草剤の使用が必要です。
図1根釧の草地雑草冠部被度
除草剤の2回処理が有効
除草剤は、グリホサート系除草剤を使い、前植生に対する処理とは種床造成後に発生した実生個体に対する処理の2回処理が有効です。
(1)前植生処理の際のポイント
グリホサート系除草剤は、植物の茎葉部から吸収されます。薬剤を十分に吸収させるためには、葉がある程度伸びている必要があります。リードカナリーグラスは草丈が60cm程度まで、シバムギは草丈が40〜50cmになったタイミングで散布しましょう。また、散布後は植物体に薬剤が吸収されるのを待つため、反転耕起まで10日以上必要です。
(2)は種床処理のポイント
は種床を造成してから、30日以上置き、雑草の再生を待ってから2回目の除草剤処理を行いましょう。処理後は、同日もしくは10日以内に牧草のは種を行いましょう。
更新のスケジュール
前年の秋に前植生処理を行う「秋夏体系」が最も効果的です(図2)。スケジュールに余裕があることに加えて、植物が栄養を溜め込む秋に除草剤を散布することで、より吸収されやすくなります。
1番草刈取後体系は、は種当年の1番草を収穫する点で粗飼料が確保できるメリットがあります。一方で、雑草の生育期間を十分に確保できないため、雑草を防除することは困難です。
余裕を持った更新作業スケジュールで除草剤を効果的に使用しましょう。
図2草地更新の作業スケジュール(例)
薬剤の選定や散布量、更新のスケジュールについての詳細は普及センターまでお問合せください。
この情報は2023年6月に釧路農業改良普及センター本所地域(標茶町、弟子屈町、釧路町)の農業者向けに発出した情報です。