生育および収穫の状況
平年と比較して融雪が早く、牧草の萌芽期は平年より3日早い4月13日となりました。その後も、順調に生育が進み、出穂期も平年より3日早い6月13日でした。
収穫作業は、好天が続いたため順調に進み、作業期間は6月15日(収穫始)から7月9日(収穫終)でした。
栄養価の予測
標茶町および弟子屈町の牧草地からチモシーを採取しました。栄養価について分析し、「今年の1番草の栄養価予測」を昨年と比較した結果を記述します。
(1)乾物率が高い
出穂後の乾物率の上昇が大きく(図1)、昨年と比較して生育が早かったことが推測されます。
図1年度別乾物率の変化
(2)CP(粗蛋白質)が低い
CPが昨年に比べて早く低下しています(図2)。6月中旬迄に収穫された牧草は、昨年と同程度のCP含量ですが、収穫が遅くなるほど昨年よりCP含量が大きく低下しています。
図2年度別CPの変化
(3)Ob(低消化性繊維)が高い
Obは昨年と比較して、早い時期から高い傾向があります(図3)。消化率が低いため、食い込みにくい草である可能性があります。
図3年度別Obの変化
今年の1番草給与の際の注意点
今年の1番草は、昨年より食い込めない上に、栄養価が低い可能性があります。
まずは粗飼料分析を実施し、栄養成分を把握しましょう。また、採食量の確認はもちろんのこと、乳量や乳成分値等の変化もチェックしましょう。
状況に応じて、給餌や餌押しの回数を増やす等で採食量増加を図ったり、濃厚飼料の給与量を見直して、不足する栄養分を補う対策をしましょう。
詳しくは普及センターへご相談ください。
この情報は2023年10月に釧路農業改良普及センター本所地域(標茶町、弟子屈町、釧路町)の農業者向けに発出した情報です。