牛舎内の換気について

 牛舎内の換気は乳牛を快適な環境で飼うために重要なポイントです。夏はできるだけ外気を取り込むことで、牛舎内の温度を下げ、冬期は最低限の換気量を維持することで汚れた空気や湿気を排出させます。これから昼夜の気温差が大きくなってきますが、時期に合わせた換気が必要です。

換気不良のサイン

 換気不良の牛舎では、結露によるカビやアンモニア臭など、様々なサインが現れます(図1)。普段よりも牛が咳をしている時は、換気が悪い証拠かもしれません。
 換気には汚れた空気や湿気を外に出す意味もあります。夏だけではなく、寒い時期も最低限の空気の入れ換えを行い、新鮮な空気を牛に与えましょう。

換気不良のサイン

図1 換気不良のサイン

換気方式

 換気では、新鮮な空気と汚れた空気をそっくり入れ換え、牛舎内に淀みを作らないようにします。そのためには、牛舎に合わせた換気方式を選択し、その能力を最大限活かす必要があります。換気方式には、自然換気(図2)と強制換気(図3)があります。
 自然換気は、外からの風や温度差により牛舎内を換気する方式です。夏はできるだけ多くの風を取り入れ、冬は外から入ってくる空気と牛によって暖められた空気を混ぜながら適度な量を上部から排出させます。
 強制換気は、送風機などを利用して換気する方式で、外気の影響を受けずに換気量を調節できます。トンネル換気の場合は、妻面の入気口から新鮮な空気を取り入れ、もう一方の妻面の換気扇から排気するため、扉や窓などからのすき間風が入らないようにする必要があります。冬場は、インバータ付きの換気扇をゆっくり回して、汚れた空気を排出させましょう。

自然換気の空気の流れ

図2 自然換気の空気の流れ

強制換気の空気の流れ

図3 強制換気の空気の流れ

冬場の換気

 風や雪が入り込まないよう牛舎を閉め切りがちな冬こそ換気が大切です。空気の流れが悪くなると牛舎内上部に暖かい空気がたまるため、冬場は外気温との温度差から結露しやすくなります。逆に冷たい空気は下に滞留するため、水道やバーンクリーナーの凍結につながります。また、牛舎内の湿度が上昇するため、病原菌が増殖し、乳房炎や感染症の原因となります。冬場も最低限の換気量の維持が必要です。換気方式を考慮して、牛舎内の温度を保ちつつ、湿気は外に排出できるよう空気の入れ換えを行いましょう

この情報は2023年10月に地域(厚岸町、浜中町)の農業者向けに発出した技術情報です。

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