○令和5年度の収量調査
標茶町および弟子屈町のサイレージ用とうもろこしほ場34カ所の収量調査を9月5日から9月21日の期間に行いました。その結果について報告します。
○収量調査結果
⑴ 地域の収量
今年の収量調査の平均を示します(表1)。
表1 R5年収量調査結果
⑵ 本年の特徴
地域の収穫作業は、9月13日(収穫始)から10月15日(収穫終)でした。
全体的に乾物率が高く、乾物収量が多く得られました。それによって、TDN収量は平年対比で約20%増でした。しかし、乾物収量を階層でまとめると、平均以下の階層に多くのほ場数が集まっていました(図1)。
また、栽植本数は全体に少ない傾向でした。
図1 乾物収量階層ごとほ場数
○サイレージ用とうもろこし栽培の目的
物理的に多くの乾物収量を得られる作物ですが、乾物収量向上は、エネルギーであるTDN収量の向上になります。
○TDN収量確保のために
⑴ 収穫時の乾物率
総体乾物率で30%を目標に収穫作業を計画しましょう。
調査結果からも、乾物率30%以上でTDN収量が安定しています(図2)。
図2 TDN収量と乾物率
乾物率30%は黄熟期とされますが、目安は子実を3粒程潰して液状物を感じなくなる頃です(図3)。
図3 収穫適期
⑵ 栽植本数
適正な栽植本数となるは種量を確認しましょう。調査結果にTDN収量への影響が現れています(図4)。
図4 TDN収量と栽植本数
この地域の適応品種に推奨される栽植本数は8000本/10a程度です。
また、適正な本数設定でも欠株率が高いほ場もありました。栽植本数は、は種時に決まります。来年に向けて、は種作業全般について検討しましょう。
詳しくは、普及センターへご相談ください。
この情報は2023年12月に地域(標茶町、弟子屈町、釧路町)の農業者向けに発出した技術情報です。