搾乳牛舎の換気を考える

 搾乳牛は、生乳を生産しながら大きな体を維持し、胎子を育てています。必要とするエネルギーは膨大で、24時間マラソンランナーのような状態です。そのような搾乳牛に新鮮で清潔な空気を供給するため、搾乳牛舎の換気を今一度考えてみましょう。

◎換気の目的

 換気の目的は、外の新鮮な空気を取り入れ、湿気やホコリ、雑菌などを排出することです(図1)。

牛舎の換気のイメージ図

図1 換気のイメージ

◎換気状態をチェック

 牛舎内が次のような状態だと換気不足かもしれません。チェックしてみましょう。
 ①牛舎の窓や壁に結露が生じる
 ②牛の顔の位置でアンモニアやカビの臭いがする
 ③牛舎や通路が乾かない
 ④夏期 外気との気温差が1℃以上ある

◎換気に必要なこと

 入気口と排気口が正しく設置され、一定方向に空気が流れていることが必要です(図2)。空気の流れを邪魔するものは片づけて、牛舎内も清掃しましょう。

牛舎内の空気の流れのイメージ図

図2 空気の流れのイメージ

◎冬でも換気は重要

 冬期間は、牛舎の扉やカーテン、窓を閉め切りがちになり、換気不足になる恐れがあります。しかし、冬でも搾乳牛は新鮮で清潔な空気を必要とします。冬の換気もしっかり行いましょう。
 悪天候時以外の日中は、窓やカーテンを出来るだけ開放(写真1)し、換気扇や送風機がある場合は(写真2)、ゆっくり回して牛舎内に空気の流れを作りましょう。1時間に5回程度、空気が入れ替わることが目安です。

冬でも窓やカーテンを開放する。

写真1 冬でも窓、カーテンを開放

換気扇や送風機をゆっくり回す

写真2 換気扇、送風機をゆっくりと回す

◎牛も人も快適な環境に

 搾乳牛舎の換気を万全なものにして、牛だけでなく、作業する人にも快適な環境を作りましょう。
 詳しくは普及センターにお問い合わせください。

 この情報は、2024年11月に地域(弟子屈町、標茶町、釧路町)の農業者向けに発出した技術情報です。

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