災害への備えは日頃から

大地震など自然災害による「停電」や「断水」はいつ発生するかわかりません。営農活動への被害を最小限に抑えるためには、普段からの備えや災害発生時の対策を整理することが大切です。

1.停電や断水に備えた事前準備を!

非常用電源を使用可能な状態に!

定期的に動作や配線の確認をしましょう

非常用電源(発電機)

写真1.非常用電源(発電機)

受水設備は整っていますか?

牛の飲水量は約5,800㍑/日(経産牛60頭規模農場)と言われています

ポリタンク

写真2.ポリタンク

ギ酸タンク

写真3.ギ酸タンク

バルクタンク

写真4.バルクタンク

ポンプやホースの準備も必要です

以下の表を参考に、農場内の初動対応や日頃の備えの参考にして下さい。

表1.災害時に想定される影響と農場での対策例

表1 .災害時に想定される影響と農場での対策例

2.万が一、災害が起こった場合には?

まずは自身の安全確保や農場関係者の安全確認が第一です。停電や断水時における乳牛の飼養管理対策等は、下記の通りです。

(1)停電の場合
● 搾乳刺激を与えないように、牛舎の出入りは最小限にする
● 粗飼料を増給し、濃厚飼料を減らす(特に高泌乳牛は注意が必要)
● 泌乳末期牛は搾乳せず、乾乳にすることも検討する
(2)断水の場合
● サイレージなど水分の多い粗飼料を中心に給与する
● 水分補給とストレス解消のため、放牧が可能であれば行う
(3)搾乳休止時間と泌乳への影響
● 16時間以内:乳量や乳質に影響は少ない
● 16~48時間:乳量や乳質、乳房炎発生の影響が高まるが、通常の搾乳間隔に戻れば乳量は回復
● 48時間以上:乳汁分泌が停止し、乳量低下が懸念される

※参考:災害における酪農危機管理対策マニュアル(北海道農政部)

この情報は2024年11月に釧路中西部地域(釧路市音別、白糠町、鶴居村)の農業者向けに発出した技術情報です

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