適切な乾乳期管理で周産期疾病を減らそう!
乾乳期は、次乳期の乳生産と疾病発生に影響する重要な期間です。
乾乳期の管理について、重要なポイントを管内の事例調査の結果から紹介します。
◆釧路管内の事例調査から
普及センターでは、釧路管内で酪農家9戸の乾乳期管理の優良事例調査を行い、酪農試験場が平成31年に発行した『乳牛の周産期管理マニュアル』で示している推奨値と比較しました(表1)。
ボディコンディションスコア(BCS)は、乾乳前期、後期とも7戸が推奨値内で、オーバーコンディションの牛群は見られず、1頭当り休息面積は、前後期フリーバーン(FB)、フリーストール(FS)飼養で8戸、前期FS、後期スタンチョン(ST)飼養で1戸が推奨値を確保しており、BCSと休息面積が多くの農場で共通しているポイントでした。
◆弟子屈町、標茶町では
事例調査を行った9戸のうち、弟子屈町、標茶町の農場3戸では、BCSは2戸が推奨値内で、1戸は低くなっていましたが、推奨値に近い平均スコアでした。また、1頭当り休息面積は3戸とも推奨値となっていました。
◆BCSと休息面積が重要
事例調査から、周産期疾病の低減には、乾乳時のBCSが適正であることと、1頭当り休息面積の確保が、重要な要素であることが、改めて分かりました。
図1 BCSの見方
図1に示したBCSの見方を参考に乾乳時のBCSを見て、奨値値(3.25~3.50)になっているか確認し、3.75以上の過肥になっていた場合は、乾乳中に大きく低下させないようにしましょう。
1頭当り休息面積は、FBでは10㎡以上で、過密になっていないことが重要です。乾乳期間を短くして乾乳頭数を調整するなどで、過密を防ぐこともできます。
写真1 ゆったり座れる休息場所
各農場で、施設や飼養環境は異なりますが、推奨値を目安にBCSや休息面積を再確認し、周産期疾病の低減につなげましょう。
詳しくは農業改良普及センターにお問い合わせください。
この情報は2025年3月に、地域(弟子屈町、標茶町、釧路町)の農業者向けに発出した技術情報です。