1.体調変化に注意
この時期は、ほ育牛に風邪や肺炎、下痢などの発症が多くなる傾向があります。観察を強化し、体調の変化に注意しましょう。
2.季節の変わり目に起きる不調
10月は9月までと比較すると最低気温が大幅に低下し「季節の変わり目」ともいわれ、日較差(1日の最高気温と最低気温の差)が大きくなります(表1)。
表1 アメダスの月別気温平年値(1991~2020)
出典:気象庁
①気温差による免疫力の低下
牛は、気温の大きな変化に適応するためエネルギーを消耗し、免疫力の低下が起こります。
②低温によるダメージ
適温域を下回る環境下では、体温維持に熱生産量を増やすためエネルギーを必要とします。体が小さい程、体積に対する体表面積が広く体温が放散しやすいので、ほ育牛は、適温域の下限が高いとされています(表2)。
表2 乳牛の適温域
免疫力の低下に低温の負荷が重なり、ほ育牛の疾病リスクが高まると考えられます。
表1より、この地域では9月頃から時間帯によっては13℃以下になることが推測でき、早めの対策が望まれます。
3.体温を奪わない管理が重要
体温維持のため「子牛を乾かす、汚さない、冷やさない」管理を徹底しましょう。
①出生時から冷やさずに管理
出生直後の子牛を乾かして保温する環境を準備しておきましょう(写真1、写真2)。
写真1 カーフウォーマー
写真2 ランプ、毛布、豊富な敷料
②被毛の保温機能を維持する
牛体を清潔に保てる乾いた敷料を入れ、濡れた敷料はこまめに搬出しましょう(写真3)。
写真3 常に乾いた敷料で牛床を覆う
③冷たいものに直接触れない管理
コンクリート床にゴムマットなどを敷く、出入口や壁をシートで覆うなど体温が奪われないようにしましょう。
4.積極的に換気する
埃(ほこり)やアンモニアから肺を守るため、施設をできるだけ開口し新鮮な空気をほ育牛に提供しましょう。
詳しくは、普及センターへご相談ください。
この情報は2025年10月に地域(弟子屈町・標茶町・釧路町)の農業者向けに発出した技術情報です。