■昆布森のサケがひと味違うわけ・・・
釧路町昆布森沖のサケは、主に4月から7月まで行う『春定置網漁』と、9月から11月まで行う『秋定置網漁』でサケを水揚げしています。
春の定置網漁では同じサケでも脂の乗りが抜群の『トキシラズ』が主力です。
水揚げしたトキシラズは、すぐに船上で活〆(血抜き)を行い、鮮度の低下を防ぎ、どこに出荷しても活きのいいトキシラズを提供できるよう努力しています。
秋の定置網漁では『アキアジ』が主力となります。
アキアジは北海道のほとんどの地域で水揚げされますが、昆布森沖で水揚げされるアキアジは市場でワンランク上の評価をされています。
その秘密は『海流』にあります。
サケは産卵場所の川へ戻る習性がありますが、川へ戻るまでサケは餌を食べないので、海流から川まで遠いとエネルギー源である脂肪を使ってしまい、せっかく水揚げしてもパサパサのサケになってしまいます。
ところが、昆布森沖は親潮が日本で最も陸に近い位置を流れているため、ふるさとの川までの距離が短く、脂が乗ったままのアキアジを水揚げすることが出来ます。
この『海流』までの距離がワンランク上の評価を得ている決め手なのです。
■こだわりの活〆
鮮度の劣化を防ぐためには水揚げしてすぐ船上で活〆(血抜き)するのが一番!
遠方に出荷すると魚はどうしても弱ってしまいますが、活きのいいまま活〆をすると劣化を最小限に抑えることができるのです。
昆布森沖で活〆したサケには『昆布森船上活〆』のタグをつけています。
漁業者の『こだわり』をぜひ味わってください。
■サケの増殖
サケは、ほぼ100%人工ふ化放流した魚です。
人工ふ化放流事業なしでは全く資源が足りません。
サケの増殖事業は、まず川で親魚を捕獲することから始まります。
道東では主に釧路川で捕獲しておりますが、平成22年から極端にサケが減ったため、チョロベツ川(釧路町)でもサケを捕獲しています。(それでも、目標の資源確保がギリギリの状態です。)
捕獲した親魚から受精作業を行い、鶴居村等にあるサケ・マスふ化場で育てます。
大きくなった稚魚はさらに昆布森にある施設で大きくし、さらに漁港内で海中飼育して海に慣らした後、晴れて放流となり、3~4年後に戻ってきます。
ここまで手間を掛けても川に戻ってくるのはたったの5%程度といわれています。
昆布森では400万匹放流しているので、20万匹が戻ってくるサケです。
サケは漁業者の努力の結晶なのです。
平成23年8月 チョロベツ川での親魚確保作業
【関連リンク】
<釧路町>
◎昆布森漁業協同組合
住所:釧路町昆布森2-72
TEL:0154-63-2311
URL:http://www.konbumori.or.jp/
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